「こむら返り」は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が急に収縮し、激しい痛みを伴う症状です。夜間や明け方、運動中、また冷えた環境や妊娠中、高齢の方に特によく見られます。

背景には、筋肉疲労や血行不良、水分・ミネラルの不足、ホルモンバランスの乱れ、加齢による代謝の低下など、さまざまな要因が関与しています。また、糖尿病や肝・腎疾患、甲状腺異常、腰椎の神経圧迫などの病気が関連していることもあります。
◆西洋医学でのアプローチと限界・よくあるお悩み
- 電解質補給:マグネシウムやカルシウム、ビタミンB群の補充(内服・サプリ)
- 血流改善薬:プロスタグランジン製剤など(閉塞性動脈硬化症などに使用)
【限界とよくあるお悩み】
明確な原因が見つからず「様子を見ましょう」と言われることも少なくありません。
夜間のこむら返りが繰り返されると、睡眠の質が下がり、生活の質にも影響します。根本的な体質の見直しまでカバーするのは難しいこともあります。
◆漢方内科でのアプローチ
漢方では、こむら返りを「血の不足」や「冷え」、「水分代謝の乱れ」など、体全体のバランスの乱れとしてとらえます。
即効性のある処方に加え、根本的な体質改善を組み合わせていくことが特徴です。
| 体質の傾向 | 症状 | 処方例 |
| 筋肉の緊張タイプ | 発作的な強い痛み/夜間に突然つる | 芍薬甘草湯(即効性) |
| 血の不足タイプ | 運動後や夜間に足がつる/疲れやすい/めまい | 四物湯、当帰芍薬散、十全大補湯 |
| 水分バランスタイプ | むくみやすい/汗っかき/湿気や冷えに弱い | 五苓散、防已黄耆湯 |
| エネルギー不足タイプ | 慢性的な疲労感/冷え/貧血傾向 | 補中益気湯、人参養栄湯 |
◆【芍薬甘草湯】を服用される方へ(ご注意ください)
芍薬甘草湯は、こむら返りに対して即効性があるため、発作時の“頓服薬”として非常に有効です。
しかしながら、以下の点にご注意ください。
- 長期的に服用すると副作用のリスク(低カリウム血症、むくみ、高血圧、不整脈など)があります
- 毎日飲み続けるのではなく、「症状があるときだけ」使うのが基本です
- 頻繁につる場合は、体質改善を目的とした別の処方を組み合わせるのが望ましいです
◆西洋医学と漢方医学の『いいところ』を合わせた診療・サポートを
- 血液検査(電解質・腎肝機能・甲状腺・糖代謝など)による原因評価
- 冷え対策・水分摂取・運動習慣など、生活習慣の見直しサポート
- ビタミン・ミネラルの補充(注射やサプリ)+漢方薬の併用治療
◆こんな方におすすめです
- 夜中や明け方に足がつって眠れない
- 運動後や疲れたときによく足がつる
- 高齢で筋力の低下が気になる
- 冷えやむくみ、体の疲れがつらい
- 体質から整えたいと考えている




