産後の不調

出産は命がけの大仕事。その後も、慣れない育児や授乳、夜間の対応が続き、心も体も休まる暇がありません。
「疲れが取れない」「眠れない」「気持ちが不安定」と感じながらも、「授乳中だから」「自分のことは後回し」と我慢していませんか?

実際、多くの方が「産後だから仕方ない」と思い込み、つらさを抱え込んでいます。
でも、産後の不調は自然に治るとは限りません。早めのケアが、心身の回復にとってとても大切です。

よくある産後の不調

身体の症状精神的な症状
疲れやすい、体がだるい気分の落ち込み、不安感
冷え・のぼせ・多汗情緒不安定、涙もろさ、孤独感
頭痛・腰痛・関節痛イライラ、不眠、集中力低下
抜け毛・肌荒れ・便秘やる気が出ない、自信喪失
乳房の痛み・腫れ・つまり授乳への不安、張りすぎによる不快感

◆ 西洋医学でのアプローチと限界

【主な対応内容】

  • 血液検査(貧血、甲状腺、ホルモンバランスなど)
  • 鉄剤・ビタミン剤などの補充
  • 抗うつ薬・抗不安薬(産後うつが疑われる場合)
  • 睡眠導入薬や鎮痛薬による対症療法

【限界とよくあるお悩み】

  • 授乳中で使える薬が限られている
  • 薬に頼らずに体質から整えたい
  • 「産後だから」と不調を軽く扱われてしまう
  • 検査では異常がないが、不調が続いてつらい
  • 病院に行く時間も余裕もない
  • 心と体の両面に同時にアプローチできない

◆漢方内科でのアプローチ

漢方では、産後の不調を「気・血・水」の乱れととらえます。
体力・自律神経・ホルモンのバランスを整え、自然な回復力を引き出します。授乳中でも安心して使える処方を選びます。

体質の傾向症状処方例
血が不足しがちな方疲労感/冷え/貧血傾向/抜け毛当帰芍薬散、四物湯
血の不足に加え、気も落ち込みやすい方疲労/不安感/気分の落ち込み芎帰調血飲、補中益気湯
胃腸が弱く、栄養吸収が低下しやすい方食欲低下/下痢傾向/体重減少六君子湯、補中益気湯
ストレスが溜まりやすく、気が滞りがちな方イライラ/胸のつかえ感/不眠、便秘加味逍遙散、半夏厚朴湯
むくみやすく、水の巡りが悪い方むくみ/頭重感/胃腸の不快感五苓散、防己黄耆湯

授乳中に比較的使いやすい漢方薬例

症状備考
産後の体力低下・貧血・疲労補中益気湯、加味帰脾湯母乳分泌を改善することも
乳腺炎(初期の張り、痛み、発熱)葛根湯柴胡桂枝湯早期対応がポイント
母乳が出にくい通草湯、四君子湯水分摂取と休息も重要
便秘大建中湯刺激性下剤より穏やか
不安・イライラ・不眠加味逍遙散、抑肝散産後の情緒不安定にも
むくみ・冷え当帰芍薬散、苓桂朮甘湯体質に応じて変更

麻黄(まおう)を含む薬 … 母乳分泌低下の可能性:葛根湯は短期使用で可

セルフケア・生活の工夫

  • 短くても深い「質の良い睡眠」の工夫
  • タンパク質・鉄・ビタミン・水分の補給
  • 授乳・育児の「負担の分担」や「一時的なサポート」
  • 孤立を避ける、ひとりで抱えすぎない
  • 自分を責めない・比べない(心の余白をつくる)

◆西洋医学と漢方医学の『いいところ』を合わせた診療・サポートを

  • 血液検査(貧血、甲状腺、ホルモンバランス)
  • 鉄・ビタミンの補充、栄養指導
  • 必要に応じた漢方薬(授乳中でも使用可能な範囲)

このような方にご相談いただいています

  • 慢性的な疲労感や眠れなさに悩んでいる方
  • 乳腺炎や母乳トラブルがつらい方
  • 情緒不安定で気持ちのコントロールが難しい方
  • 自分のケアの時間が取れず、限界を感じている方

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